「30代が聴くロック〜やっぱ自分の踊り方で踊ればいいんだよ〜」
第5回
「Theピーズ/ Theピーズ」
(2003年リリース・キングレコード)
お:ミッシェル解散したねえ。どうよ?
さ:どうでもいい。
お:えっ?どうでもいいの?
さ:どうでもいいんだよ、俺。
お:そうなんだ。
さ:アルバムも買ったことねえし。
お:1枚も?
さ:ううん。4枚くらい買ったけど。
お:買ってんじゃん。しかしもうダメなのかねえ、骨太なロックは。
さ:うーん・・・たぶんイヤんなったんだよ、チバが。他のメンバーのことを。
お:もうでもホントにいなくない?
さ:ロック界代表みたいのが?
お:うん。フェスでトリとるのが当たり前みたいなバンド。
さ:ハイロウズがいるじゃない。
お:ハイロウズ?んんー・・・でもなんかちょっと違くない?
さ:おっさんだしな。
お:しかしミッシェルは解散後のメンバーの明暗が分かれるよな。
さ:アイツらダメだろう。チバ以外。特にベースのウエノとか。
お:お前、必要以上にアイツのこと嫌ってるよな・・・じゃあまあ今回は「THEピーズ」ね。
さ:おう。
お:今日オマエのオンステージだからよ。いいよ、ずっと・・・
さ:えー思い起こせば87年とか88年くらい・・・最初はね「カステラ」から。
お:「カステラ」が先なの?
さ:うん。・・・もうねえ・・・「ストリート・スライダーズ」とかさあ、
「なんとかズ」とかさあ、「ストリートなんとか」とかさあ、もうヤダなあって・・・
「ストリート」ついてたらダメだなって・・・。
お:「ストリート・ビーツ」とか?
さ:そうそう。
お:でもそんなにいねえだろ「ストリート」つくの。
さ:だから、そういうノリの・・・
お:「ロックでございます」みたいの?
さ:そうそう。そこに現れた「カステラ」っつうのが、名前だけでもう
「コイツはわかってる」「いいんじゃないか」と。
お:カステラ、インディーズデビューは「ナゴムレコード」だったんだよ、知ってた?
さ:えっ?そうなの?
お:うん。
さ:へえー知んなかった。宝島かなんかにトモ(ボーカル、現トモフスキー)の写真が
出ててさ、ラバーソールにエンジのズボンはいてボーダーのシャツ着て金髪でさ・・・。
で、やたら可愛くてさ・・・「ピピピッ」っと・・・
お:音も聴いてないのに。
さ:そう。音も聴いてないのに、ルックスとバンド名だけで。わかってる人達なんじゃ
ないかと思ってさ。
お:浪人くらい?
さ:いつだろ?浪人くらいかなあ・・・で、音聴いたら全然良くなくて・・・
発想は良いんだけど、あんま良くねえなあって。
お:何だっけ?カステラの曲とかって全然知らねえなあ、俺。
さ:「ビデオ買ってよ」とかさ。
お:ああーああーそうか。
さ:軽いんだよ。まあそれが狙いなんだろうけどさ。そんでルックスは好きだったから
トモの髪型にしたくてさ、トモの出てる雑誌を買ってね、パーマ屋に持っていって
「これにして下さい」って・・・。
お:うわあー恥ずかしい。俺いまだかつて無えよ、その経験。
さ:俺だって初めてよ。そんで、その雑誌の見開きの左がトモで右がハルだったのよ。
それまでピーズなんて全然知らなくてさ、記事に二人は双子の兄弟って出ててさ、
曲はシンプルなロックンロールみたいな事書いてあってさ、ハルが「ジュンスカには
負けれねえよ」って。それで「コイツは良いんじゃないかなあ」って。
お:え?その時ピーズっていうのはもう出てたの?
さ:いや、まだデビューはしてなくて、ライブ会場でテープを売ってるって書いてあって、
それが欲しかったんだけどバンドブームのライブなんて行きたくなかったからさ、
新宿西口の中古ショップ街まわってさ・・・
お:「UKエジソン」とかな。
さ:うん。で、2000円くらいで手に入れて。
お:え?ピーズの?
さ:うん。まだ持ってるよ。デビューアルバムと曲はほとんどかぶってるんだけど。
お:「肉のうた」とか?
さ:うん。曲名が微妙に違うんだよ。「バカになったのに」は「バカ」、
「世紀末のうた」は「AIDS」、1stに収録されてない曲が2〜3曲。
そんでこれはカステラと違って「良い」って・・・よく聴いてたなあ。
その直後に「JAPAN」の巻頭に取り上げられてさ、でっかく。
「JAPAN」ではTheピーズを追っかけていきますっ!って。
お:渋谷陽一が押してたんだよね。
さ:みたいね。
お:エレカシと同時期?・・・違うなあ。
さ:エレカシよりあとだねえ。
お:エレカシがセカンド出したあとぐらいだもんねえ。そうだよ、俺エレカシが
セカンド出したあとソールドアウトに就職してさあ、事務所に結構あったんだよ、
レコード会社から来るデモテープみたいのがさあ。その中にピーズあったんだよ。
さ:32曲な、デビューアルバムにして。
お:しかもライナーノーツを渋谷陽一が書いてたんだよ。なんか「歌詞において
革命が起きた」みたいなさあ。例の調子のさあ、ロッキンオン特有の・・・それで?
さ:デビューアルバムにしてタイトルが「グレイテストヒッツ」、
2枚組でなく2枚同時発売、持ち歌全部って・・・いつ出せなくなるかわかんないから
出せるうちに全部出すっていう・・・「JAPAN」で全曲解説やっててさ。
お:まだ「JAPAN」版がでかい頃ね。
さ:うん。渋谷陽一がレコーディングの現場に行くと嫌がられるっていう。
「また嫌がられてしまいました」って・・・「スタジオ良いよお、冷房効いてるし、
毎日シャワー浴びれるし」って。
お:ハルが?
さ:うん。「快適快適」って。
お:でも結果、渋谷が押してるバンドってそこそこ行ってるじゃん。そこはスゲエんだよ、
たぶん。まあ消えてったバンドもたくさんいるんだろうけどさ。エレカシとピーズに
おいては信用できるな。
さ:同じ頃、真心ブラザーズもデビューでさ。
お:そうだっけ?
さ:うん。ピーズよりちょっと後に出してるんだよ。で、「グレイテストヒッツ」ってさ、
すごいしゃべりとか叫びとか入ってるんだよ、曲の最初とか終わりとかにさ。
なんかメチャクチャにさ。
お:ああー。ウギャーとかみんなで叫んでたりね。
さ:で、真心がレコーディング中に倉持がそれに影響されちゃって、
真心のレコーディングでやたらそういう声とかを入れたがるんだってさ。
んで桜井が「倉持さん、ちょっとピーズの影響受けすぎじゃないっすかあ?」って。
お:そこでもう今の「O.P.KING」に続く流れがあったんだ。
さ:ピーズのメジャーデビューライブっていうのがパワーステーションであってさあ、
俺見に行ったんだけど倉持来てたもん。俺、倉持なんて知んなかったんだけど、
周りがさ「真心のまともなほうが来てるよ」って。
お:なんだ、それ。ルックス的にってことなのかなあ。
さ:桜井は色物だったんだろうねえ。
お:あーでもそんなカンジはしたね・・・そうそう、俺は渋谷が押してるから聴いた
みたいなカンジだったんだよね、ピーズは。うんまあ普通に「いいなあ」ってくらいで。
さ:ルックスとかバッチシだったなあ、俺は。
お:デビューのメンバーは、アビさん(G)とハル(VO&B)と・・・
さ:マスヒロっつうのがドラム。「人間椅子」にいたヤツみたいよ。
お:あーそうなの?
さ:うん。やったら巧いんだよ。
お:巧すぎてクビになっちゃったんだろ?
さ:うん。ハードロック系なんだよね。バイクとかも乗っちゃってさ。
それもモトクロスみたいのでさ。バイクつながりでパンタと仲良くなっちゃって
事務所も一緒で、辞めたあと「頭脳警察」で叩いてたもん。
お:あっそうなんだ。でも巧すぎてクビになるってスゲエよなあ。
さ:半年位じゃないの?デビューして。
お:そうだよねえ。
さ:セカンド出す前に・・・
お:もう、バンド存続の危機になっちゃって。
さ:全部出しちゃったしなあ、曲。
お:あのまま解散しそうな勢いだったもんなあ。
さ:まだあの頃「PATI-PATI」とかさあ軟弱なロック雑誌がいっぱいあってさあ・・・
お:ああ「アリーナ37」とかなあ。
さ:バンドブームだったからピーズとかも取り上げててさあ、ドラム抜けたあとで
アビさんとハルが市ヶ谷の釣り堀で黄昏てるっていう写真が載ってたなあ・・・
で、新ドラマー、ウガンダ投入ってわけだ。
お:ウガンダってどこにいたの?
さ:大学の後輩かなんかじゃないの?いつもライブには顔出してるみたいな。
お:全くドラム叩けない状態で加入したんでしょ?
さ:うん。ベースかなんかはやってたんじゃないかなあ。
「アイツなら叩けるはずだ」って、ゼロから練習。んで3ヶ月くらいで
レコーディング・・・それが「マスカキザル」。
お:「マスカキザル」はそんな状態だったんだ。
さ:あのアルバムはねえ、俺巧いとか下手とかそんなわかんないんだけど、
あれは下手ってわかる。
お:それは俺もビックリした。「グレイテストヒッツ」はなんか巧すぎるんだよね。
さ:うん。色々かぶせたりしててさあ。
お:だから「ブッチーメリー(2002年発売のベスト版)」
とか聴くとさあ、あああの頃のレコーディングの音なんだなあってわかるじゃん。
エレカシのファーストとかもそうだけどさあ。なんだろうねえあれ。
ベースとかドラムが軽いんだよね、バンドブームの頃の音だよな、ヌケが良過ぎるの。
さ:爽やかなカンジでね。
お:みんなそうなんだよね、あの頃のって。真心のファーストとかもそうだもんねえ。
さ:綺麗に録るっつうのが・・・
お:主流だったんだねえ。
さ:「マスカキザル」について喋ることは・・・あんま・・・2000円なんだよねあれ。
お:そうそう。
さ:30分くらいで。
お:デビューどこだっけ?ビクターか。レーベルがスピードスター?インビテーション?
さ:わかんねえけど・・・ハルが好きな「アナーキー」がビクターだったから
ビクターにしたと思うんだよね。結構レコード会社いっぱい来てたみたいね。
「だまされちゃいけねえ、だまされちゃいけねえ」って。
「ビーフストロガノフを食わして俺をだまそうとしてもそうはいかねえ」って
なんかで言ってた。
お:ハルどこだっけ?大学?
さ:駒沢。トモが早稲田で。
お:ああ、トモは早稲田なんだ。
さ:うん。だからアビさんもトモ紹介で。
お:え?アビさんも早稲田なの?
さ:うん。哲学科。
お:マジで?それで今コンクリート屋?
さ:コンクリートっつってもスーツ系っつーか事務職なんじゃないの?わかんねえけど。
お:それであの体はねえべ。現場の体じゃん。
さ:確かに。誰もがそう思うよね。
お:事務職なの?
さ:わかんねえ。
お:いやあ、ありえねえわ・・・
さ:で、シンイチロウもたしか駒沢だったかな?
お:高校は?
さ:成田のほうの・・・良いとこなんじゃん臼井とか佐倉とか。
お:トモも?
さ:わかんねえ。要は頭良いんだよ、2人とも。だいたいさあ、双子の兄貴っつうのはさあ、
ダメじゃない?弟のほうが出来よくてさ。中学ん時、同級生に双子が二組いたんだ
けどさ、どっちもダメ兄貴だったもん。弟のほうがしっかりしててさあ。
で、俺兄貴のほうと仲良くなっちゃうんだよなあ。憧れちゃうんだよなあ、
双子の兄貴って。その片方の双子の兄弟の年上の姉ちゃんが校内でも有名な美人でさあ、
兄貴風呂のぞいてるって言ってたもん。
お:自分の姉ちゃんの?
さ:うん・・・んで「マスカキザル」の頃は「ニューイヤーロックフェス」出てたね
ピーズは。
お:ああ、出てたねえ。今年の正月にテレビでやってたの見た。
さ:その事務所だかビクター流れでブッキングされたんじゃねえかなあ?
お:ああ、パンタとかアナーキーとか・・・
さ:出なきゃいけなかったんだろうねえ。2年くらい出てるんだよね・・・
しかし、すんげー昔なんだよねえ、「マスカキザル」とかさあ。
お:12〜3年前ですよ。
さ:ピーズってハズレアルバムが無いんだよ。
お:え?「マスカキザル」はハズレじゃねえの?
さ:「マスカキザル」ねえ、ピーズマニアの間じゃかなり人気高いよ。
ネットとかで投票とかやってんじゃん?ああいうのじゃ上位よ。
お:そのころ一緒に住んでたんでしょ?ハルとトモ。
さ:うん。若林かどっか。
お:世田谷のね。
さ:朝ファンの子が飯持って来るんだってねえ。
お:その部屋に?
さ:うん。「食べて下さい」って・・・そこの家賃もトモのほうが多く払ってたらしいよ。
「部屋の広さがアイツのほうが広いから」って。ダメ兄貴ぶり。
お:でもモテそうなカンジするよなあ、ハルは。ちょっと放っておかれないタイプだよなあ。
さ:うん。トータスが「俺はハルになりたかった」だもん。アイツのそういうとこ
ウゼえんだろうなあハルは。
お:幻の「O.P.KING」メンバーな。ホントに最初そういう話だったのかなあ?
さ:わかんねえなあ・・・しかしO.P.KINGのインタビューで民生が必ずトータスの話
するからねえ。「本来ならここにトータスが・・・」みたいな、面白れえなあ。
「またかよっ!またトータスの話かよっ!」って。
お:もしかしたらトータスが言い出しっぺなんじゃねえの?民生にしても倉持にしても、
ハルは当然そんなこと言い出しそうにないじゃん。
トータスがさ、「このメンバーでやったらエエカンジなんやないかあ?」って。
さ:いや、あれは倉持が言い出しっぺでしょ。
お:俺はなんかちょっと着いて行けねえんだよなあ「O.P.KING」って。
さ:温いからだろ。全然温いもん。
お:・・・「マスカキザル」の次何だっけ?「マスカキザル」はホント聴いてねえなあ。
俺も持ってたけど2回くらいしか聴いてないカンジするなあ。
さ:1番雑なアルバムだからねえ。まあ、持ち味っちゃあ持ち味だけどねえ。
やっぱドラムが下手すぎなんじゃない・・・次は「クズんなってGO」。
お:ああ。ジャケットが三茶の映画館の・・・
さ:そうそう・・・いや違う違う。
お:違う違う。
さ:フルチンの・・・
お:ラクダのヤツか。
さ:そうそう。
お:ジャケット金かかってんだよね。意味無く。あれねえラクダってねえ100マンくらい
するのよ、1日。動物プロダクションから借りると。
さ:ああそう。へえー・・・しかしハル、フルチンなってたもんねえ、ウガンダと。
アビさんさすがに脱げなかったんだろうねえ。早稲田のプライドだねえ。
お:アビさん早稲田ってショックだなあ・・・。
さ:そこよ、アビさんの凄いところは。
お:哲学科?
さ:哲学科・・・「クズんなってGO」は・・・ピーズだなあ。
お:曲何入ってたっけ?「クズんなってGO」・・・
さ:「ふぬけた」とか「電車でおでかけ」とかさ「まったく楽しいぜGO GO」とか
「君は僕を好きかい」とかさ・・・
お:スゲーよな薩本、ピーズで嫌いな曲無いんだろ?
さ:無いねえ、1曲も・・・ああでも「負け犬」っつう曲はちょっと・・・
ボーカルいじってて・・・。
お:まあでもあれでしょ?何をおいてもナンバー1なわけでしょ?
さ:そうだねえ・・・いつもトップ3バンドっつうのが変動しながらあるわけなんだけど、
ピーズは3から外れたこと無えもんなあ。
お:他は何が入ってくるの?ちなみに?
さ:エレカシとかさ、KENZIとかさあ、その時々によって入れ替わるけど・・・
お:ブランキーは?
さ:ブランキーは入んねえんだよなあ・・・なんでだろ・・・
「みんなが好き」ってカンジがしちゃうからかなあ・・・。
お:・・・やっぱ、オマエ、自分のモテ方に似てるんじゃないの?
ハルと・・・またそこの話になっちゃうんだけどさあ。薩本君もいくらアウトローを
気取ってもさあ、放っておかれないカンジっていうのがさあ、あるよ・・・
さ:うん。「うん」って自分で言ってるよ。
お:だってそうでしょう?
さ:・・・ハルってダメ人間だもんなあ。
お:そうそう、それがいいんだよ。いるんだよ、そういう、ダメでもモテちゃうヤツ
っていうのがさ。やっぱ女子は自己確立してない男が好きなんだよ、
なんだかんだ言っても。「放っておけない」みたいなさ。薩本もそういうとこあるよ。
さ:でもハルなんてそういう才能はすごいよ。どう見ても可愛いもん・・・
男にもモテんじゃん、ハルってさあ。トータスとか倉持とかさあ。
毒づいてるくせしてさ。うらやましいよね・・・で、「クズんなってGO」はね、
ボーカルの音小っちゃくしすぎちゃったんだってさ。
お:そうなの?
さ:うん。あとから「ボーカル小っちゃかったなあ」って思ったんだって・・・
「クズんなってGO」と「エレカシ5」が同じ日くらいに発売でさ、
俺、新橋の会社に勤めててさ・・・
お:暗黒時代?
さ:うん。
お:新橋の会社の話ちゃんと話せよ。
さ:・・・新橋の会社っつうのは・・・大学卒業して・・・
お:法政ね。
さ:法政卒業して・・・ちゃんと就職した会社なんだけど・・・
1ヶ月半で辞めっちゃったんだけど・・・実際は1ヶ月も行ってなくて・・・
お:すげえよなあ、外で引き籠もっちゃったんだろ?
さ:そう・・・で、その会社の帰りに「エレカシ5」と「クズんなってGO」を買って・・・
お:もうちょっとちゃんと話せよ、辞表も出さずに辞めっちゃって、父親が謝りにいった
とかよお、そういうだらしない話を。
さ:・・・だからよお、サラリーマンは自分でもやる前から無理ってわかってたんだけど、
とりあえずやってみてから「NO」って言おうと思ってさあ・・・
お:辞めるべくして辞めたんだ?辞めるつもりで入ったんだ?
さ:そう。やってもいないのに「サラリーマンはクソだな」なんて言っちゃダメだなと
思ってさ。やってから「クソ」って言おうと思ってさ。で、やってみたら
やっぱ「クソ」だった。「辞める」って言っても辞めさしてくんないんだよ。
研修とかで俺に金かかってるからって。最低1年はいてもらわないとって。
お:ああ、会社ってそういう考え方するみたいよ。俺もさ、ADとかさ辞めたいんだから
辞めさせればいいじゃんって思うんだけどさ、資本投下してるんだからって、
会社はね。
さ:バブリーな頃だったから研修とか豪華だったもん。入社式とか。
六本木のクラブみたいな所、借りきっちゃってさ。おみやげとか貰っちゃってさ。
で、一人良い上司がいて「オマエ本当に辞めたいんだったら明日から来んな、もう」
って。「バックれちゃえ。それしか方法は無え」って。それで行くのやめてさ。
お:会社とかだとさあ、その、部下が辞めたことによってさあ自分自身の評価とかが
決まってくるじゃん。そんなの可哀そうっちゃあ可哀そうだよね。
「管理能力無し」みたいなことになっちゃうでしょ。
さ:そうそう。だからその上司にはホント感謝してるよ・・・だからな、会社の帰りに
「エレカシ5」と「クズんなってGO」を買って、新橋の飲み屋で一人カウンターで
その2枚のアルバムの歌詞カードをずっと読んでたら、なんか「辞めよう」って
思ったわけなんだよ。特に「エレカシ5」の「無事なる男」がきちゃったんだよなあ。
お:ああ・・・この間作った「エレカシ裏ベストMD」の薩本選曲のヤツ何だっけ?
さ:「ひまつぶし人生」。
お:何に入ってるんだっけ?
さ:「エレカシ5」よ。
お:ああ「エレカシ5」に入ってるんだ。いかに「5」を聴いてないかだなあ。
初めて聴いたくらいだったもん。
さ:あの曲「5」が出たときのツアーかなんかのCMの宣伝で使ってたんだよ。
お:ピーズ話でなんだけど「ひまつぶし人生」の歌詞入れとこうよ。
「ひまつぶし人生」作詞/曲:宮本浩次 用が無いのに慌てふためきつれえのなんの。さ:そのCMもさ「天皇が死んだ」ってところ使うんだよ。
お:当時の事務所の方針だな。
さ:そこだけ使うとエレカシ復活みたいなカンジすんじゃん。
お:全然違うのにな。いやあ良い歌だなあと思ったよ。
「何だこれ?「東京の空」じゃねえしなあ?」と思って・・・「5」なんだね。
もう1回ちゃんと聴いてみようかなあ。聴くとダメなんだろうなあ。
さ:最初の2曲が地味なんだよなあ・・・。
お:・・・で、ピーズな。俺「クズんなってGO」は聴いてるんだよ。CDあるし。
さ:軽いロックンロールアルバムだな。
お:軽いよね。
さ:その次のアルバムからグッと重くなるんだよなあ。やっぱ4枚目で変わるんだよ。
それまで3分以内の曲ばっかだったのに急に7分とかさあ。
9曲入りで60分くらいあって「何じゃ?」と思ったもん。
お:4枚目のアルバムって何だっけ?
さ:「とどめをハデにくれ」
お:ん?それが三茶の?
さ:三茶の。
お:三茶のボロい映画館の座席に座ってるのがジャケットになってるやつ?
さ:うん。「とどめをハデにくれ」っていう曲自体は5枚目に入ってるんだけど、
ホントは4枚目に入る予定だったんだけど、詩がダメかなんかで。
お:何でダメなの?そんな問題ないカンジじゃん。
さ:変えたんでしょ。
お:何を歌おうとしてたんだろうねえ。
さ:「殺せ」みたいな詩があったんじゃないのかなあ・・・
このアルバムでピーズは俺の中で確固たるものになったなあ。
お:「日本酒」とか・・・
さ:「シニタイヤツハシネ」とか。
お:あ、そうか「シニタイヤツハシネ」が入ってるんだ。お前はどこの花屋時代?
さ:浦安で働いてる時だなあ。
お:ちょっと人生なぞってるところがあるんじゃないの?ハルとオマエ。
良い大学出てるのにさあ・・・
さ:わざとやってるわけじゃねえんだよ。
お:一般的な価値観から言うと、恐ろしくダメな人生だよなあ、オマエなあ。
さ:おう。
お:いいかげんに見えてる俺なんて凄く真っ当だと思うよ。その仕事がやりたいがために
専門学校行ってさあ、そういう世界に就職してさあ、15年間一つの仕事しか
してないんだよ。
さ:偉い・・・「○○○」を買って持ってるくらいだからねえ。買うもんなあ。
これ買う人の気持ちがわかんねえよ。
お:そう?・・・じゃあその頃のピーズのライブは結構行ってたんだ?
さ:そんなに行ってないよ、これの次からキングに移籍したんだよな、
「どこへも帰らない」から。
お:「とどめをハデにくれ」までビクターなんだ。セールス的にはズルズル落ちてたんだ。
さ:そうだろうねえ。暗くて売れねえよ。
お:すげえよなあ、20代の歌詞とは思えねえよな。「シニタイヤツハシネ」とか凄いよね。
さ:・・・大根覚えてないだろうけど、「クズんなってGO」出した頃、
俺、会社辞めて大根ん家住んでて、洗足のね、その頃大根が「SOLD OUT」で
働いてて、大根から大根ん家に電話がかかってきて、大根ん家なのに俺が電話出て、
したら大根で「今日チッタでピーズと真心出るイベントあるんだけど、
タダで入れっけど行かねえ?」って、で「行く行く」って、で「じゃあ現場で」って、
で電車乗ってチッタまで行ったんだけど、大根は待てど暮らせど来なくて、
その頃携帯なんて無いからさ、んで関係者って言えば入れんだよなあと思って、
関係者受付んとこ行って、紙に「SOLD
OUT 大根」って書いて、バックステージ貰って
入っちゃって、まあ大根来ればどうにかなんべと思って見てたんだけど、
結局大根来なくて、って事あったなあ。
お:全っ然覚えてねえ。全く。ひとっカケラも覚えてないよ。えー何それ?
真心とピーズだけだったの?
さ:あと「THE POGO」。倉持がバイクで事故ったとかで松葉杖でさ。
お:良いライブだねえ。
さ:うん。最後セッションで「バンバンバン」とかやっちゃって。ポゴのボーカルの・・・
お:良太?
さ:そうそう、そいつだけカッコつけて出て来ねえでさ。
お:あいつな。永遠の2番手だよな。
さ:そん時、アビさんが弾きまくってて「アビさんてギター巧えんだなあ」と思った・・・
でもあういうの入れちゃうんだよなあ、ウソ書いてるわけだしさあ。
お:全然覚えてねえ。そのあと、俺、フォローも無し?
さ:うん・・・帰るっつっても大根ん家に帰ってくるわけなんだけどさ・・・
結構地味に行ってるんだけどなあ・・・関君じゃないけど・・・
結構地味な所でやるんだよなあ・・・
お:「常磐座」とか。
さ:三茶の「HEAVENユS DOOR」とか見に行ったなあ・・・それはもう、ウガンダ抜けた
あとだなあ・・・アビさんの後輩とかいうヤンキーがドラム叩いてて・・・
すぐクビになっちゃったけど・・・。
お:・・・そういえばお前、この間のFUJIのマッド(カプセルマーケッツ)見たんだっけ?
さ:見たよ。
お:カッコ良かった?
さ:なんか雨降ってたからテントの中にいたんだけど、やっぱ凄い人気だったよ・・・
悪そうだった、ボーカルのMCとかが。「オレらよお〜・・・オマエらによお〜・・・」
みたいな。
お:悪そうだもんなあアイツ、やっぱ。女殴るカンジするよね・・・
「とどめをハデにくれ」の「シニタイヤツハシネ」の歌詞書いとけよ、ちゃんと全部。
さ:おう・・・
お:すごい長いよね。
「シニタイヤツハシネ〜born to die〜」作詞/曲:大木温之 変態 凡人 年をとれさ:「シニタイヤツハシネ」も歌詞的によろしくなくてカタカナにしたみたいね。
お:ああ、そうなんだ、ああああ・・・これミッシェルの誰だっけ?キュウだっけ?
千葉LOOKで見てなんちゃらかんちゃら・・・
さ:ああ、あったねえ。
お:あれだよ「JAPAN」の21世紀に残したい名曲みたいのあれでミッシェルのメンバー
ほとんどピーズの曲選んでたよな。ピーズより全然売れてっけどミッシェルはずーっと
ピーズのこと好きなんだよな。
さ:ああ。だからミッシェルとかもピーズの前座とかでさあ。ウルフルズもさあ。
お:へえー。オマエ凄いねえ。ジャパニーズロック「トリビアの泉」だねえ。
「へえー」・・・
さ:ウルフルズのバン借りて釣りとか行ってたらしいぞ・・・ウルフルズにも
すぐ抜かれちゃってなあ・・・その頃下北の「QUE」っつうライブハウスで
大晦日に・・・
お:あれ、MDなんか変な音するよ。
さ:ダイジョブダイジョブ。全然録れてるよ。あれ、もう42分行ってるよ。
お:早いねえ。ピーズのこと半分くらいしか喋ってねえよ。
さ:「MTハピネス」っつう大晦日だけやるバンドがあってさあ、ハルとトモと
ワタナベマモルとポテトチップスのもりくんとシンイチロウとか、そのへんの・・・
お:ワタナネマモル?グレイトリッチーズだ。下北の番人。
さ:うん。その初期の頃はトータスも入ってたらしいよ。それは毎年、今もやってるよ。
年末に。「MTハピネス」。
お:今はトータスは入ってねえんだ。
さ:もう入ってない。「O.P.KING」は「MTハピネス」の発想なんだよな。
「M」がマモルとモリ、「T」がトモ、「ハピネス」はハルとかピーズとか
ピロウズとかよくわかんねえけど、そんなカンジなんだろうねえ。
お:なるほどね。
さ:だから「O.P.KING」にトータスが居てもおかしくないっちゃあおかしくないんだよな。
お:なんだろう?アイツのうまくやってるカンジがダメなのかなあ。
さ:普通に友達になりたくないんじゃねえかなあ。
お:俺らでいう「○○○」みたいなカンジかなあ。ここ伏せとけよ。
さ:関西人だしな。
お:ちょっと眩しいのかね。
さ:押しつけがましいカンジするしさあ。
お:でもウルフルズのベースのヤツ(ジョン・B・ジョッパー)、メンバーに戻ったって
すごく良い話だよなあ。普通にトータスに言ってきたらしいよ。
「もう1回やりたいんですけど」って。それまでベース入れなかったっていうのも
良い話じゃない。
さ:募集はしてたよ。
お:ああ、そうなんだ。
さ:まっつんに「受けろ」って言ってたもん。
お:トータスなりに何かあったんだろうな、やっぱり・・・いいの?
「とどめをハデにくれ」は?
さ:うん。このアルバムを最後にウガンダが辞めて・・・
お:ウガンダ何で辞めたの?
さ:よくぞ聞いてくれました。ハル曰く、ウガンダ、ライブの前とか凄い緊張してるん
だって。それを「ダイジョブだよ、オマエ」とか言うのが面倒臭くなったんだって。
オマエの面倒まで見てらんねえよっていう、オレはオレ、アビさんはアビさん、
オマエはオマエ、ってなりたかったんだけど、ウガンダの分を抱えるのが
大変になったんだろうねえ。
お:そうなんだ。巧くなってたんでしょ?それなりに。
さ:うん。アビさんはでも「ウガンダ辞めてつまんなくなった」って。
お:それがアビさん抜ける前振りにもなってるんだ。
さ:うん。ハルのワガママが凄くなり始める頃なんじゃないかなあ。
お:でもなあ、反面曲は良くなっていくしさあ。そういうものなのかもねえ。
そう思うとエレカシの宮本のなんと恵まれていることかと。
さ:ホントだよなあ。
お:メンバーに感謝してんのかなあ。
さ:敬語で話されちゃうくらいだからねえ。
お:1回もないのかなあ、エレカシって。
誰かが「ちょっとオレ・・・考えてるんだけど・・・」みたいなことがさあ。
さ:どうかねえ・・・みんな自分が地味で宮本無しじゃ無理ってことを自覚してる
カンジだからねえ。
お:それにしてもさあ・・・まあ、あんなヤツがいたら・・・どうにかしてやろうって
思うのかなあ・・・。
さ:これぞ「男」とか思ってんじゃないの。なんか変な「男」だよね・・・
柔道部みたいな「男」・・・だよね。
お:トミなんかドラム巧いのにさあ、リズムが弱えとか言われちゃってさあ、
これからは打ち込みだ!とか言われてさあ。
さ:「勝手に始めるなっ!」って言われるらしいからねえ。
トミがワン・ツー・スリー・・・ってカウントすると「勝手に始めるなっ!」って。
ドラムから始めねえでどうすんだよっ!って。
「俺が水飲んでんのが見えねえのかっ!」って・・・。
お:・・・アイツ独裁者だよな。
さ:石君のギターチェンジの速さ、ハンパじゃねえもん。
お:この間の野音なあ。
さ:うん。軍隊だもん。ギターチェンジの練習だけしてるカンジだもん。
お:・・・でもピーズの、ずっとスリーピースっていうのは良いよね。
さ:うん・・・ウガンダがクビになった時ちょうどね、国分寺の津田塾かなんかの学祭
見に行ったんだよね。普通にピーズ見に行ったらさ、ドラムセットが無くて2人で
出て来るんだよ。ハルアコギで。「ウガンダ辞めちまったんだよぉ〜」って
ハル坊主頭でさ。半ズボンでさ。
一番キツイ頃だったんじゃないかなあ。2人でツアーもまわったらしいからね。
お:オレもその頃1回ライブ見てんだよなあ。なんかのイベントで。オンエアーの小さい方。
ピーズと・・・なんだったかなあ・・・スーパージャンキーモンキーとかさあ・・・
変なイベントで、ウガンダが辞めた直後とかで、でも何か知んねえけど客席に
ウガンダがいてさあ・・・。
さ:そういうカンジなんだよね。
お:「今日ウガンダ来てっけど」みたいな。「辞めちゃったんだよアイツ」みたいな。
さ:今でも見に来てるもんなあ。
お:・・・で?「どこへも帰らない」?
さ:うん。このアルバムは、だから、半分以上シンイチロウが叩いて・・・
お:ああそうなんだ。
さ:あと、チャイナボウルズ?の人が叩いて。正式なドラムがいないアルバムなんだよね。
お:シンイチロウが叩いてるんだあ・・・いやあ、良いアルバムだよね。
さ:1・2・3枚目って割とロックンロールで、で4枚目で重いのやって、んで5枚目は
ロックンロールなんだけど・・・
もう、その、ロックンロールが振り切れまくっちゃってるカンジだよねえ・・・
なんつうんだろ?音はロックンロールなんだけど・・・重いっちゃあ重いのかなあ・・・
なんかさあ、重いのを経てぶっ壊れちゃったカンジが凄い・・・
こう、苦悩を振り切ろうっていうカンジがさ。
お:あの、あれだよね、この間出たアルバム(「THEピーズ」)と似てるよね。感触が。
さ:そうだね。
お:やっぱココなんだなっていう。
さ:似てる似てる、質感が。
お:曲のバランスとかもさ。
さ:うん。
お:(中ジャケを見ながら)あれ?このアルバム、ウガンダも叩いてるぞ。
さ:いや、写真だけ。
お:そうなの?
さ:うん。
お:あっホントだ。さすが・・・ああ、ほとんどシンイチロウだ。
さ:うん。
お:だからかあ。いやあ、これ一番よく聴くなあ。
さ:ピーズマニアの間じゃ評判あんま良くないんだよ。人気薄。
お:ええっ!何で?
さ:知らねえ。ちゃんと聴いてんのかなあ?人気あんのが・・・「リハビリ中断」とか・・・
お:・・・(RISING SUN 1999のビデオが流れているのを見ながら)
ライジングサン唯一の汚点バンド「ゼペットストア」。
さ:もう消えちゃったな、こいつら。
お:消えるべくして消えるよなあ、やっぱり。ダメだなあと思ってるバンドは消える。
さ:1999のライジングサンに出てたバンドで消えたのコイツらだけじゃない。
お:・・・いやあ、でもこれホントに良いアルバムですよ。
さ:「脳ミソ半分とっちまいたい」できちゃうんだよなあ。でもちょうど同時期に
正式なドラムが入ってるんだよね。レコーディングには参加出来ずで。
お:ああそうなんだ・・・うわっ甘いなあ、このワイン。
さ:日本のは大体飲み安く甘いよ。
お:おいしい泡盛あるよ。
さ:・・・泡盛は無理。
お:いやあ、ダイジョブダイジョブ。
さ:・・・曲によって浮かぶ場面とかあるよね。
お:曲によって思い出のシーンみたいのがあるっていうことでしょ。
さ:俺ピーズはそういうの一杯あるなあ・・・そういうのって名曲なんだよなあ、やっぱし。
お:まあそういうことですよ。なんかミュージックビデオとか未だにそんなに、
自分で仕事やってても、そんなにピンと来ないもん・・・そういうことだよなあ。
曲聴いてさ、そのプロモーションビデオの映像思い出すってよくないだろ、あんまし。
さ:うん。
お:「優しい川」なら「優しい川」の映像があるじゃん、自分なりの。
さ:うん・・・「どこへも帰らない」買った日とか覚えてるもんなあ・・・
津田塾に「2人ピーズ」見に行く途中の道の踏み切りとか覚えてるもんなあ・・・。
お:・・・ハルって歌詞をメロディーに乗せるのうまいよなあ。
「ノォーンストップで」・・・「ノォーン」って普通は入らないもんなあ。
さ:メロディーが重要らしいよ、ハルは。はまる方が意味より重要らしいよ。
坂本もそうだね。
お:龍一?
さ:違うよっ!ゆらゆらの。
お:ああ。
さ:「アーモンドのチョッコレイト」の「チョッ」が重要なんだよ。
お:ああ。
さ:そこに意味が無くても、そこは「チョッ」じゃないとダメなんだよ。
お:ああ、わかるねえ。その辺似てるねえ。
どうでもいい歌詞でもカッコイイっていう・・・ヒロトとはちょっと違うねえ。
さ:そういえばヒロト老けたよなあ・・・原爆オナニーズの人かと思ったもん。
マーシーとかもテレビとか出ないからさあ、どうなってんだろ? 最近。
あ、ミュージックステーションに出た時のハイロウズの「青春」手に入れてくれよ。
お:うーん・・・この間のミッシェルの最後のMステって見なかったの?
なんか出てきた瞬間からチバが涙ぐんでたって聞いたんだけど。
さ:えーと、見てるはず・・・野澤と一緒に・・・全然覚えてねえや。
何の曲やったかも覚えてねえや。
お:「世界の終わり」やったって噂があんだけど、それはない?
さ:無い無い。それだったら覚えてるはず。あ、今度出る新曲だ。思い出してきた。
やっぱウエノとかの態度が気に入らなかったのは覚えてる。そっちは覚えてる。
お:ミッシェルに関してはオマエ上げ足取りの目線だからなあ。
さ:うん。
お:・・・ピーズはこの頃アルバム的には良くなって行くんだけど、バンド的には
ダメになっていくってカンジなのかなあ。
さ:だから、ウガンダのあとに吉田君が入って・・・
「リハビリ中断」ではまた違うドラムが叩いてるっていう流れだけど・・・
その間にも何人もドラムが入れ替わってて・・・。
お:シンイチロウはその頃もう「ピロウズ」?・・・KENZIからピロウズか。
ピロウズやめればいいのになあ。ホントにもういいかげんよお。
さ:なんなんだろうねえ。1曲も知らねえもんなあ。あのボーカルの「サワオ」って人?
テレビでなんか見たとき「ああ、友達になれねえなあ」ってカンジだったなあ。
向こうもなりたくもねえだろうけど。
お:何でずっといるんだろう、シンイチロウ。そこがシンイチロウたる所以なのかなあ。
さ:両方やってりゃ両方から金入るからじゃねえの。
お:・・・お、(CDを聴きながら)「やっとハッピー」だ。
さ:大根の好きな。
お:大好き。
「やっとハッピー」作詞/曲:大木温之 いつまでもバカのそばを離れないでさ:この曲ライブでやるのは難しいんだって、テクニック的に。歌いながら弾くのが。
お:どうなの?ピーズは技術的にさあ?シンプルなロックンロールに聞こえて凄く難しいみたいな。
さ:ライブん時は、レコーディング通りには弾いてないみたいよ。の割には指が動きまくってるけど。
お:歌いながら弾くベースじゃないよなあ。
さ:そうなんだよ・・・最近頓にアビさんのギターがぶっ壊れてるねえ。昔はそんなに
感じなかったのになあ。再始動したとき大根に言ったでしょ、「アビさんのギターが
雑なんだよ」って。雑なのか何なのか、適当なのかやる気無えのか、最初だから
練習間に合ってねえのか、とにかく雑に聞こえて、したらずーっとそのまんま・・・。
弾き方も毎回違ったり・・・「クズんなってGO」とか裏打ちで「チャッ・チャッ」
ってやってるときもあれば、コード「ジャラジャラ」のときもあるしで、
それでもちゃんと出来ちゃってるからなあ・・・ハルもコードの使い方が変つーか、
俺はそんな詳しくはねえんだけど、やっぱ普通使わない使い方とかするみたいねえ。
ワンパターンにするのがイヤみたいな。だからといって難しくするんじゃなくて。
俺も何曲かコピーしたけど「日本酒」とかいきなり「G#」とかで始まるとかさあ。
このコードからこのコードに?っていう・・・なのにキャロルとか好きなんだよなあ。
お:何かあんじゃん?永チャンもベース実は凄い巧いっていうじゃん・・・
(RISING SUN 1999を見ながら)ちょっとこの映像珍しいからちょっと見てみて。
マーシーが踊ってるの。
さ:・・・踊ってねえじゃん。
お:踊るんだよっ!・・・(マーシー踊る)ホラッ!
さ:ホントだっ!
お:ちょっと面白いだろ?ここ?
さ:うん。
お:貴重な映像ですよ。こうやって踊ればいいんだよ、薩本もよお。
さ:マーシー、キースのマネした動きはよくするけどねえ、これは初めてだなあ。
マーシー何か見たんだよ、きっと。でもさあ、ブルーハーツがデビューした頃って
マーシーがバンダナ巻いてるのとかって、ちょっと寒かったじゃん?
それをずーっとやってるとさあ、自分の物になって、ここまでやってるって
すごいよなあ。
お:継続は力なりだよ。
さ:マーシーはここまで考えてたんだなあって思っちゃうんだよなあ・・・
しかし今、水色ジーパンの時代じゃねえか?ロッカーは。
お:ハル然りな。ちょっと細身の。スリムでもなく。
さ:俺、買ってくっかなあ・・・原宿辺りで。
お:ちょっときついくらいの。
さ:もうダボダボとかじゃねえよなあ。
お:腰ばきとかじゃなくてねえ・・・Tシャツ入れるカンジで。
さ:膝破けてるカンジで。
お:・・・ヒロト、最近格闘技の道場行ってるんだよね。
さ:そうなんだ。プロレス好きだもんなあ・・・
(ピーズに戻って)この曲あんま好きじゃねえんだ「負け犬」。
お:ああ、ボーカルエフェクトかかってるから?
さ:うん・・・このアルバムを最後にアビさんもクビで。
お:アビさんは何でクビになったの?
さ:子供とか出来たんじゃねえの?それでピーズの給料じゃ食わして行けねえだろって
ハルが辞めてもらったんじゃん?わかんねえけど。
それと同時に仲も悪くなってたんじゃないの?
レコーディングとかハルうるさそうだからねえ・・・入ったばかりのドラムも
辞めさして・・・またどっかから2人連れてきて・・・。
お:ミュージシャンとしてはさあ、曲はどんどん良い曲出来てる時期じゃん・・・
難しいねえバンドは。
さ:「小五郎」っつうギタリストが入って・・・
お:やっとピンと来てる位じゃないのかなあ、ハルの。わかんねえけど。
やりたいこととさあ、テクニックとか追いついてきて・・・
この曲(Hey!君に何をあげよう)とかも凄い良いじゃん。
さ:うん。
お:(RISING SUN 1999を見ながら)あっ、このドラゴンアッシュが出てくるカンジ、
凄い好きなんだよなあ。俺がドラゴンアッシュ確信した瞬間よ・・・ね?
この降谷の登場するカンジ。
さ:・・・持ってるよなあ。
お:持ってるよお・・・寒くないもんねえ、全然。カッチョイイよなあ・・・
大事だよなあ。つうか全てだよなあ。「持ってる」っていうのは。
さ:うん・・・で、小五郎っつうのが入って、ムチャクチャギター下手だという噂で、
見る前から。ハルのインタビューで「手が2本、指が5本あっからどうにか
なんじゃねえの」って、ええっ!そんなレベルなの?って思ったよ。
お:俺が入れるじゃんって?オマエホントに思ったんだろ?
さ:うん。ウガンダ抜けて「2人ピーズ」んとき。ハルにはやっぱベース弾いてもらって、
俺アコギで、ついでにパーカッション江川も連れてって、4人でアコースティック
ピーズをって。もう俺しか無いって。まあ、ヨコシマな気持ちだけどね。
お:ドラムすら辞さないって。
さ:うん。したら吉田君に先越されちゃって。けど入らなくて良かったよ。
失礼だよ・・・そんで「リハビリ中断」聴いたら、別に全然下手じゃねえなあって。
お:うん。
さ:ちゃんと弾けてんじゃんって。安心した。ライブ見に行ってもバランス良かったよ。
ハルと小五郎のカンジ。
お:ああそう。見た目も?
さ:うん。「えび」の人なんだよね。
お:ああ。イカ天バンドの。
さ:そうそう。で、ピーズとえびが対バンで一緒になったり打ち上げとかも
一緒になったりで、すぐ喧嘩になってたんだって。ハルと小五郎・・・
で、ハルが猿、小五郎が犬、犬猿の仲っつうのが売りで。犬っぽいんだよなあ小五郎。
下手じゃなかったよ。ハルにレコーディングで鍛えられたんだろうねえ。
ギターソロとかハルが考えてたんじゃねえかなあ。
お:「リハビリ中断」のね。もう「リハビリ中断」の話ね。
さ:うん。
お:何をもって「リハビリ中断」なの?
さ:バンドやめて社会復帰するっていうのが、ハルにとってリハビリなわけなんじゃ
ないの?
アビさんと別れて社会復帰しようと思ったんじゃないの?
でも、そのリハビリを一時中断してまだバンドやってます、アルバムも出しますって
事なんじゃないのかなあ。だから、このアルバム出したらバンドやめようって思って
やってるわけなんじゃないのかなあ。
1曲目の「線香花火大会」で「この騒ぎが終わる頃、僕らはいないのさ」って
歌ってるしさあ。東北ツアーの途中かなんかでやめたんだよね。
お:全うする気はあったんだけど、やめちゃったってカンジなのかなあ。
さ:ファンクラブの会報かなんかじゃ「もうくたびれた、ものすごく疲れた」みたいな
ことを。自分のワガママで周りを巻き込んで・・・みたいな。
お:アルバム自体は全然悪くないのにねえ。
さ:全然良いよ。だから、今アビさんで「リハビリ中断」の曲やると「ドキッ」って
するもんねえ。
お:ああ。こうしたかったんだろうなあってカンジ・・・
(「キュウリのキュウちゃん」を食べながら)「キュウリのキュウちゃん」って
食べる?最近、食べないよねえ。忘れてたんだよなあ・・・この味・・・
美味いんだよ。
しかし、ハルとアビさんて普通のボーカルとギターの絵面じゃないよねえ。
さ:うん。アビさんが1個年上で・・・アビさんが自立してるんだろうねえ。
ハルに寄りかからず、寄りかかるどころか「俺が持って行ってやる」くらいで・・・
最近なんかアビさんがMCで喋り始めるとハルも困っちゃうくらいだもんねえ。
お:ああ、AXでも「ハルよおっ!ハルよおっ!おいっ!ハルっ!」だったもんねえ。
さ:ハルのほうがまとめ役だもんねえ。アビさんが暴走しないように。
ハルのバンドみたいにパッと見は思われるんだろうけど、違うんだよなあ・・・。
お:下手すりゃアビさんのバンドだよなあ・・・(CD聞きながら)歌詞凄いよなあ、
「任せろだぜ」とか「調子ん乗っぞ」とか・・・
さ:言葉使いね。
お:「ざまあ見っぜ」とかさあ。
さ:発明だよね。1番最初にこの発明が炸裂したのは「とどめをハデにくれ」ん中の
「短い夏は終わっただよ」の「だよ」じゃねえかなあ。
出だしが「ベイベーついて来いぜっ!」だもん。「ついて来いぜ」だよ?
今はもうハル用語で出来ちゃってるけど、いきなり「ついて来いぜ」って言われたら、
もう・・・。
お:この辺、まだ20代・・・もう30くらいか・・・
(TV画面観ながら)ドラゴンアッシュってベースの人だけ凄い年なんだよね。
さ:ねっ。おじさんなんだよね。
お:しかもオーディション。
さ:そうなんだ。
お:そう。よくぞ入れたよなあ。ドラゴンアッシュ信用できるトコだよね・・・
まあでも、その、バンドがちょっと、どうなんだろうなあ・・・
でも「リハビリ中断」ってバンド的には不安定だけど、ちょっとある程度
見えてきたってカンジじゃないの?楽曲的には。
さ:(「何様ランド」を聴きながら)あっ、いつかのインタビューで「この曲があるから
大丈夫」って言ってた。
お:え?「何様ランド」?・・・え?最近のインタビューで?
さ:いやいや、前。いつだったかなあ・・・?
お:大変だねえ薩本。歌詞一杯載せなくちゃ。今回は。
「何様ランド(じゃますんなボケ!)」作詞/曲:大木温之 どこ行くんだろか オラん行く先 自分だけさ:どっかのHPに書いてるヤツいるべ。コピペで何とか・・・けど書くの楽しいよ。
けどこの曲は語尾が全部「んだ」でさ、発明だよね。
お:韻を踏んでんだ。ハルって曲先なのかなあ?
さ:ん?
お:曲から作るのかなあ?
さ:曲からだって・・・バンドやめたあとも「MTハピネス」には出てたんだよね、
最初は。けど、途中からそれも出なくなっちゃって。
お:え?「どこへも帰らない」から「リハビリ中断」まで何年あんの?
さ:そんな空いてないでしょ。
お:え?「どこへも帰らない」からキング?
さ:うん。
お:(また「どこへも帰らない」の中ジャケを見ながら)あっ、ツアーサポートで
ウガンダ入ってるよ。
さ:ああ、そん時リキッド見に行ったんだけど、ドラムがクビにしたはずのウガンダで、
ハルがギターで、アビさんがいて、ベースがアキラっちゅうそこに出てんべ?
その人で、「4人ピーズ」でツアーまわってたんだよ。ハル、アンコールで
ギター置いちゃって「じゃあバックバンドのみなさん、ヨロシク」って。
「カラオケ気分だぜ」つってやってたよ。もう、バンドとして高めるみたいの無いよね
その頃は。他人にベース弾かしてさ、カラオケ気分で歌ってるだけだもん。
もうヤケクソでネタ探しってカンジだよね。こんなことしてみたらどうだろうか?
よくなるかなあ?って。アビさんとか「バックバンド」って言われちゃあ
「知らねえ」ってカンジだよねえ。それが当時の状況なのかなあ。
お:まあでもあれだよねえ、宮本とかよりバンドアンサンブルっちゅうかさあ、
バンド重視だよね、ハルは。俺が俺がってカンジじゃなくて。
エレカシの場合は「宮本的」ってことでしかないからなあ。
「宮本」としてどうか?だもんねえ。
さ:俺あんまピーズのキャロルチックな曲は好きじゃねえんだよな。ピーズに関しては。
ハルの得意としてるトコなんだけどさあ。
お:得意としてるトコだよね。
さ:再始動してからもアンコールとかでやるんだけど、ちょっとガッカリするんだよな。
お:・・・じゃあ「リハビリ中断」のあと、活動停止は来るべくして来たってカンジ
だったの?
さ:俺はそんなこと全然考えてなかったけどね。あとから見るとってカンジかなあ。
ちょうどね、その頃全部終わっていったんだよなあ俺のロックが。
エレカシが売れ線路線になっちゃってさあ、それはそれで良いんだけださあ、
ピーズも止まって、みんな知らないけど「THE
GOD」もいなくなっちゃって、
KENZIも下火で、なんかねえ、何も聴くの無くなっちゃって・・・
お:ブランキーとかも停滞時期で?
さ:うん。「ダンデライオン」とかだったんじゃないのかなあ・・・
お:ああ、ああ。
さ:こうやってロックって終わっていくのかなあ、なんて考えてて・・・
お:かろうじて「イースタンユース」とかで繋いでな・・・
さ:ギリギリで繋いでくれたのが「イースタンユース」だもんなあ・・・
お:なんか、最近、坂本商店から出たDVDで凄い映像があるらしいよ。
なんか吉野がロシアのライブハウスで一人で怒りまくってるっていう。
さ:へえー。
お:そういえばどうすんだよ?ARBのDVD五枚組。みんなで買うまでもねえじゃん。
全部で9時間あるらしいんだよ。
さ:関君だなあ。関君には買って欲しいよなあ。
お:関が買えばいいよなあ。そんで関ん家に見に行って・・・もういいよなあ。
さ:買うよアイツ。きっと買うよ。つうか、もう買ってるかもしんないよ。
市川GIOにARB見に行って「最高だったよっ!」って言ってた男だからなあ。
その言葉を信じてFUJIロックフェスでARB見たら全然だったもんなあ・・・
「なんで?」って。
お:デビュー曲の「乾いた花」からやるんだろ?
さ:そうそう、それだけ「おおっ!」って思うんだよ。
お:凌、相変わらずスーツなの?
さ:いや、なんか、グレーのシャツにグレーのスラックスみたいので・・・
先にメンバー出してあとからもったいぶって出て来るんだよねアイツ。
俺の位置からはもう袖にいるのが見えてんのにさ。てめえが先に出て来いって
思うんだよなあ。
お:レッドマーキーでやったんだっけ?
さ:そう。
お:凌、シンバル蹴ったりするんだろ?
さ:そう。曲終わるたんび。そんで蹴るのはいいんだけどさ、蹴ったあと客席見て
「どうだ?」って顔するのはやめて欲しいんだよね・・・。
うちの嫁も「ちょっと嫌」って言ってたもん。
お:「イースタンユース」であんなに盛り上がった嫁が?
さ:そう。うちの嫁はちゃんとしてるんだよ。良い悪いがちゃんとわかるんだよ。
ロックじゃないけど。
お:イースタンの時、率先して前行ってたもんなあ。
さ:うん。あと「MODS」は良かったって言ってた。もうちょっとなめてたらしいんだよ。
寒いと思ってたらしいんだよ。けど良かったって・・・
でまあ戻るけど、ピーズはねえ、解散とかじゃなくて、活動停止つってたからねえ。
お:そうなんだ。
さ:だからいつかやるんだろうなあって。
お:何年だっけ?4年?
さ:5年。
お:その間、ハルは居酒屋や中華料理屋で働いて。
さ:なんか最初は池袋の居酒屋だったみたいよ。サンシャイン通りにある。
「ふるさと」って・・・。
お:オマエ1回行った方がいいんじゃねえの?巡礼だよ、ピーズ巡礼。
さ:いや、もう潰れたみたいよ。
お:停止する前、ロッキンオンJAPANで兵庫がかなり熱いテキスト書いてたよねえ。
「ふざけんな!」みたいなの。
さ:うん。
お:JAPANのピーズ担当ってずっと兵庫?・・・ああ渋谷、山崎、兵庫か。
さ:うん・・・でよお、復活する2年くらい前からすこーしずつ盛り上がって
きたんだよなあ。ヒストリービデオ発売して・・・
「JAPAN」にも電話インタービューみたいのがちっちゃく出てたり、兵庫で。
そんで真心のバックで出て・・・
お:その5年間は薩本的には寂しい日々を過ごしてたわけ?
・・・そんなこと無えよなあ?フェス行ったりなあ?
さ:まあ・・・関係ないけど99年のFUJI ROCKに行ったのはでかかったなあ。
ロック消えそうな時で・・・あと宮本っつーかエレカシの「ガストロンジャー」も
でかかったなあ。
お:そうね。
さ:「よしっ!これでエレカシ帰ってきた。まず1つ」って感じで。
まだまだっ!って・・・そんで、その真心の下北SHELTERのチケットが欲しくてさあ、
もうオークションで2万くらいになってたんだよ。諦めてたんだけど嫁が
「買ってもいいよ」って。
お:「いいよ」って?
さ:ちょうどシングル「流星」が出たときで、嫁がラジオで聴いたみたいで、
「なんか良い曲だよ」って。「行けば」って。配達途中にわざわざ電話してきて
くれてさあ。「でも2万くらいするよ」って言ったら「いいじゃん」って。
じゃあ「行くわ」って・・・良い話でしょ?ここまでは・・・したっけ、
オークション4万までいっちゃってさあ・・・さすがに買えんわ。
お:いい嫁だねえ。単純にハル効果でそこまで上がってたのかなあ?
さ:いや、真心が・・・
お:ああ、解散決まってたんだっけ?
さ:いや、まだ解散話は出てないんだよ。真心がライブハウスに出るっていうことで
すごかったみたいよ。でさあ、そのライブにミッシェルのベースのウエノが
来てたって聞いてさあ、アッタマ来ちゃってさあ。俺が2万出しても欲しくて
買えなかったチケットをなぜオマエが持ってる?ってさあ。
お:普通に関係者でしょ。
さ:そういうのがムカつくんだよなあ。
お:「T・M・G・E ウエノ」とか書いちゃって・・・軽くマジックで。
さ:・・・で、ハルが人前に出てきたっつうのでもう「やるんだろ?やるんだろ?」って
カンジだよね。したらやったね。千葉LOOKでピーズ復活よハル、アビさん、
シンイチロウってもうこれしかねえっつーメンバーで。7/25・・・
行けなかったけど・・・でもそこにもまたウエノが来てたらしいんだよ。
お:そこにもまた。
さ:でも、俺はそん時はもう「ひたちなか」出るって知ってたから・・・
お:そこは譲ろうと、そこはウエノに譲ろうと。
さ:うん。って別にウエノに譲ったわけじゃねーよ。
お:ハルが「最初は千葉LOOK」からって言ってたんでしょ?
さ:うん・・・つうか「ひたちなか」で復活っていうのが許せなかったみたいね。
それで無理矢理・・・
お:変な高校生のバンドと・・・
さ:普通にブッキングされてるところに無理矢理入れてもらって・・・チケット1200円
だし・・・復活ライブが。5年間待ちに待ったのが1200円で買えちゃうんだよ。
でも、1ヶ月前じゃん?ライブハウスのチケット発売って。
みんなその前日の夜から並んでたらしいね。レポートしてるヤツとかがいるんだよ。
んで、明け方雨が降ってきてルックの人が中に入れてくれて、朝、整理券を配って
それを持って夕方戻ってきて、80何番かくらいまでの人しか買えなかったって。
ウエノもそういうとこに並べっつーんだよなあ。そんでのライブでやったのが
全曲新曲っていうのがねえ?
お:いやいや、それが凄いよねえ。
さ:凄いよ。ニューアルバムから2曲抜いただけなんだよ。
お:(RISING SUN 1999を見ながら)この椎名林檎すごいよなあ。
ブランキーの「D.I.J」のTシャツ着てるんだよなあ、コートの下に。
ヤられてたのかなあ・・・ベンジーに・・・
さ:・・・よしっ!やっとたどり着いたぞ、アルバム「The ピーズ」に。
こっからが本番だから。
お:ええーっ?今まで前座?
さ:前座。今日のテーマは「The ピーズ」だから。
お:ああー・・・そうね・・・。
さ:えーっと・・・アルバム発売は何月だったんだっけ?・・・2月だよな?
お:そうそう。夏前に復活して・・・
さ:そのころはアルバム作ってもいないんだな。
お:そうそう。
さ:でも新曲は10曲はあったんだもんなあ。凄いよなあ。
お:作ってたのかなあ、ハル。5年間の間。
さ:作ってたでしょ。曲作るの趣味らしいから。バンドやるとか関係なしで。
お:ハル何で作るの?ギター?
さ:ギターでしょ。台所で作るんだって。
お:ずっと赤羽に住んでるの?
さ:うん、たぶん。
お:・・・泡盛飲む?
さ:泡盛・・・
お:この泡盛、絶対ダイジョブだから。
さ:そうなの?
お:泡盛っぽくないんだよ。
さ:飲んでみないと何とも言えんが・・・
お:じゃあちょっと映像も変えるか。
さ:何?ピーズ?常磐座?
お:いやいや・・・ピーズだけどFACTORYにしよう・・・
さ:・・・あーでも、この・・・泡盛の・・・何つうんだろ・・・砂っぽいっつうのかなあ?
お:砂っぽいってどういうことだよ?
さ:粉っぽいっつうのかなあ。
お:全然わかんない。
さ:俺あるんだよ。泡盛は・・・でもルースターズも再結成しそうだねえ。
お:するかなあ?
さ:けど新曲10曲持ってくるなんてねえぞ、普通。そこがピーズの違うところなんだよ。
お:ドラゴンアッシュ新メンバー、ダンサー2人入ってるらしいぞ。
意味わかんねえよもう・・・どうする?映画の「ロッカーズ」見に行く?
さ:いや、DVD化待ち。全然。全然待てる。DVDで家で見るのがちょうどいい。
お:ツッコミ入れながら。「これ無えよなあ」って。
さ:そのための映画ってカンジ。
お:じゃあいいぞ、ピーズの話して。
さ:えーっと、ひたちなかのロックインJAPAN、ピーズだけ見に行って。
お:どうだったの?
さ:うん・・・ガラガラでねえ。
お:バンプ・オブ・チキンとちょうどかぶってたんだよね?
さ:そう。その前が「麻波25」っていうので、混んでてさ。こりゃピーズんなったら
大変なことになっちゃうんじゃないか、って思ってたら・・・「麻波25」終わったら
ガラガラになっちゃって・・・あんなに客席がガラガラだったのはライジングサンの
ハリーでしょ、フジロックのシオンでしょ、ひたちなかのピーズくらい。
んで、始まる前にアビさんが普通にそこ歩いてんだよ。PAんとこ行って何か注文
出してんだよ。ハルも普通にステージの袖んとこにいるしさ。暑そうにしてさ。
出てくる前にもう見えちゃって・・・感動も何もねえよ・・・。
お:でもさ、メインステージでバンプ、サブステージでピーズだったわけでしょう?
バンプとピーズの不思議な関係を、ちょっとロック考古学者としてさ。
さ:ああ・・・どちらも千葉の成田、酒々井?臼井?方面出身で。
京成電鉄の奥の方だ・・・そんだけじゃねえか。
お:いや、同じようにボーカルの何だっけ?アイツ?
さ:藤原。
お:藤原も頭の良い高校に行き・・・
さ:しかしよお、あれよ、俺と大根と関君と野澤で「千葉のバンプ・オブ・チキン、
おじさん編」だとウチの嫁は思ってるんだけどよ。
なのに野澤君がどっか行っちゃってさあ・・・
「どうしちゃったの?千葉のバンプ・オブ・チキン?」って。
「おじさんバンプ・オブ・チキン?どうしちゃったの?」って。心配してるんだよ。
お:「こうやってダメになっていくんだよ、バンドって」って?
さ:そうそう・・・バンドやってるわけでもねえんだけどさ。
お:「アイツとはもうやれねえ」って?まああとはルックス的にももうアイツには
ロックは無理だなあ・・・で、まあバンプがノリノリの頃にね・・・
さ:そう。そんでハルのMCが泣かせるわけよ。俺を。
お:何つったの?
さ:「アッチじゃなんか同じ千葉の若いのがやってっけど・・・俺ら今はまだこんな
なめられた状況でやってけど・・・来年ブレイクすっからよお」って。
なんか、ジーンってきちゃってよお。
お:15年選手が。
さ:この、5年休止してさ、で、またやるっていうのはさ、やっぱちょっとは
売れないとさ、「FACTORY」(フジテレビ721の音楽番組)のインタビューじゃ
「売れても売れなくてもどうせやるから」とは言ってたけどさ・・・でも、もう
思い通りになってるみたいね。O.P.KINGやったり、アビさんはアビさんで仕事
あるし、シンイチロウはシンイチロウでピロウズがあって・・・
(ちょうど「FACTORY」の映像を見ながら)しかし「FACTORY」は復活後
ベストだよ。
お:これベストだよなあ。生で見てないけど。
さ:テレビで見ただけだけどさ・・・凄いよ。
お:これたぶんカメラマンとかもさあ、気迫に押されて撮ってるカンジがするんだよなあ。
さ:うん。あのアビさんの動き・・・ありえるかよっ!やってみてえよ。
出来ないよあんなこと。わざとやってる動きじゃねえもんなあ。
お:で、どうだったの?そのひたちなかのライブは?
さ:その前にさ、ネットでルックでの新曲の音を仕入れちゃってたからさ・・・
だから感動が・・・新曲やっても「ああ、あの曲な」ってカンジで・・・
お:インターネットで音源を・・・もうガマン出来なかったんだ?
さ:ガマンできなかった。汚ねえ音なんだけどさ、それなのに1回聴いちゃったら
もう覚えちゃうんだよ。才能だなあと思ってさ。でも、ひたちなか見といて
良かったなあと思うよ。
お:あとシンイチロウっていうのが良い話だよな。
さ:「変なドラム入れんなら俺がやるからよ」って。
お:そうなの?それ良い話だねえ。どの場面で言ったの?・・・真心の時か。
さ:そうだろうねえ。ハルが「やる」って決めた時だろうねえ。ハルインタビューで
「俺まだサワオ君(ピロウズのボーカル)に断ってねえや」って言ってたなあ。
中村達也とは対局にいるドラムだよね。何の特徴もないんだけどさ、
しっかりしてるっつうさ。
お:シンイチロウが後ろにいるっていうことが大事なんじゃないの。
さ:年上だしな。アビさんに関しては「もう俺がアビさんを選んだんだから・・・」って。
「好きにやらそう」って。「イヤだったら違う人を選べ」ってことだよね。
お:しかし気になるのはハルのしゃべり口調だよな、あそこまで訛ってねえよなあ、千葉は。
さ:でもマネすっと結構気持ち良いんだよな。何なんだろうねえ。
お:茨城だよねえ。
さ:そんな血入ってねえよなあ。
お:でもわかんないよ。俺もほら、両親銚子じゃん。銚子まで行くとちょっと
茨城っぽいのよ。
さ:ああ。あるのかねえ、成田も。
お:あながち。
さ:(「FACTORY」の映像を見ながら)普通歌詞を忘れちゃったとかってテンションが
下がるのに、上がるんだよなあ。良いライブっていうのはね。
お:ウガンダ以来の、っていうかウガンダいた頃以来の、ビジュアル的にピッタリする
カンジだね。
さ:でもこの日、ちょっと酒入ってるよねえ・・・だいたいアビさんの「サイナラ」の
イントロ聴くとその日のテンションがわかるよねえ。
お:NHK-FMの公録ライヴん時ちょっとダメだったもんなあ
・・・その次どこいったんだっけ?原宿の?
さ:うん。アストロホール。
お:アストロホール行ったの何月だっけ?
さ:11月くらい。
お:な?
さ:うん。
お:何かよくわかんない・・・あれか、JUMPSの・・・
さ:そうそう。
お:何だっけ?
さ:「JUST A BEAT SHOW」
お:俺ら高校くらいん時からやってるイベントな。「VOL.百いくつ」みたいな・・・
さ:見たかったんだよ。普通にちゃんと。イベントやラジオじゃないやつ。
お:普通に良かったよね。
さ:うん。少しずつ昔の曲を混ぜながら。
お:あん時何やったんだっけ?
さ:「線香花火大会」とか「日本酒」とか「ておくれか」とか
「やりっぱなしでサイナラだ」とか・・・
お:それでライヴ終わった後にな?
さ:うん。
お:俺ホントはちょっと次の仕事があって行かなきゃならなかったんだけど、
たまたまちょっと1時間くらい空いちゃって・・・
さ:俺はよお、ちょっとよお、大根と飲むからよお、大根が「ちょっと良い店あんのよ」
みたいなカンジで業界人御用達みたいのをちょっと期待してたんだよ。
したっけ大根が「そこね」って。えっ?「つぼ八」ええっ!つぼ八?ってよお。
もうよ、アストロホールの階段上って来て、そのまま上っていくと「つぼ八」って
いうな。して、カウンターでダラダラ飲んでたらな?JUMPSのボーカルの人が
入ってきてな。「あの人JUMPSの人じゃねえ?背小せえなあ」なんて
「けど、つうことは打ち上げここでやるっていうことだよねえ」なんつってな?
したっけまたミッシェルのドラムのキュウとかが入って来てよお「何だよ?」
なんて言ってたらハルとシンイチロウが入って来てな、アビさんは帰ってたな。
お:次の日仕事だからな。
さ:サインもらっちゃったよな。
お:入って来た瞬間からドキドキしてな。
さ:大根がいなかったら俺行けなかったな。「行けよ行けよ」ってうるせえんだもん。
お:ちょっと高校生くらいなカンジでな。
さ:つぼ八のレジから油性マジックかっぱらってな。あのTシャツ着てたら
サイン消えちゃった。
お:ああTシャツにもらったんだっけ?
さ:うん。なんかそういうの取っておくのってイヤらしいじゃん。着ないと。
お:あの時点で酔っぱらってたね、ハルね。何つったんだっけ?
さ:俺「サイン小さく書いてくれ」って言いたかったんだよ。
でっかく書かれると着れねえじゃん。で「なるべく・・・」って、
でも「小さく」つったら失礼かな?って急に思って「なるべくでっかく」って
言っちゃったんだよね。したっけ「でっかくっつわれても、俺、字小せえからよお」
って小さく書いてくれたんだよ。「よかったあ」と思って。
したら知らないうちに大根がすぐ後ろにいて、後ろから「がんばって下さい」
なんて肩越しに手延ばしてきてよお。「いつの間に」って。オモロかったなあ。
お:あれがハルとのファーストコンタクト?
さ:いや、ライブハウスとか見に行くと普通にその辺にいるからねえ。
しゃべったのは初めて。アビさんとは喋ったことあるなあ。昔、ライブ終わって
出たら階段にアビさんがもう座ってたことあったな。真ん中に。
お:ありがたみないんだ?もういるって。
さ:で、俺デロデロで「そのアロハ、ダサいっすねえ」って言おうと思ったら
「そのアロハ、イカしてますねえ」って言っちゃったんだよな。
したら「兄さんゴキゲンだねえ」って。だからアビさんが座ってっから、
みんなよけないと帰れないんだよ。
お:そんで、そのアストロの後に、俺がアルバムの視聴盤みたいのを入手してきて
薩本に持っていったんだっけ。その時点でもうほとんどの曲知ってたんだよな。
歌詞の確認でしかなかったんだよな。
さ:2月が正式発売でさ、11月の時点で聴いちゃってさ・・・
最初なんか音が悪いなあって思ったよね。
お:最初言ってたよね。モコモコしてるんだよって。
さ:うん。サンプルだからかなあと思ったんだけど、実は1発録りだったっていう。
お:伝説のな。今、全くありえない。
さ:「せーの」で録ってるんだぜ。
お:俺、知ってるのロッカーズとRCの「BLUE」しかないもん。
ロッカーズもファースト「WHO The ROCKERS」だけだよな。
さ:「シェイキン」とかしっかり出来てるもんねえ。
お:しかし「生きのばし」とか良い曲だよなあ。
さ:「生きのばし」の最後のフレーズは「このままでいよう」で最初使われてたんだってよ。
お:へえ・・・イントロがキャロルそのまんまでな。
復活の1曲目の最初がキャロルっていうのも・・・。
さ:アルバムタイトル「The ピーズ」はちょっと・・・気に入らなかったんだけど
セルフライナーで・・・
お:「生きのばし」にしたかったんでしょ?
さ:うん。レコード会社の反対でヤメになって。それ聞いて安心したよ。
「The ピーズ」はねえもん。俺の中ではあのアルバムのタイトルは
「生きのばし」だもん。でも、なんと言っても「サイナラ」が良かったなあ。
お:泣きそうになったもんなあ。
さ:うん。大根から11月に音源もらって店で聴いたんだけど、
なかなかピンと来なくてさあ、その日の夜、大田区の方に配達あってその途中
車で聴いてた時に来たんだよなあ。「サイナラ」が。「来たーっ!」って。
お:ここで「サイナラ」の歌詞を。
「サイナラ」作詞/曲:大木温之 喰いまくってりゃいい ブタでいいさ:(「FACTORY」の映像を見ながら)このインタビュースゲえよなあ。
放送禁止だよなあ。
お:「ウエー」とか言っちゃってな。
さ:このアビさんの笑顔。
お:MCのブライアン、ピーズに全く興味ねえよなあ、これ。
さ:アビさん・・・アビさんのルックスっていうのがなあ・・・着てる服がなあ、
「AX」ん時なんて「NEW YORK CITY」って書いてあったもんなあ・・・
お:原宿アストロ行って、アルバム聴いて、AXっていつだっけ?
さ:3月くらいだったんじゃないの?
お:普通に良いライブだったよね。
さ:うん。あの最初の2〜3曲がヘッタクソなんだよ。音外しまくってて・・・
俺、自分のライブがある日はあの「生きのばし」を聴いてから行くんだよ。
「あれでもいいんだよ」って。「あれでいいんだよ」って。自分を勇気づけるんだよ。
あれでちょっと俺、考え方変わったもん。
お:な?この泡盛いけるだろ?
さ:うん・・・粉っぽいけどな。
お:粉っぽくないよ、別に。
さ:・・・俺泣きそうになったんだよなあ、これ(「FACTORY」)見たとき。
お:いや泣けるよ。普段ピーズとかそんなに聴いてないスチャダラのシンコ君も
言ってたもん。「凄いんですよ、ギターが」って。
さ:ハルはずっと照れながら、照れ隠しをしながら、ずっとやってたのにさ・・・
お:昔のビデオとか見るとな。
さ:うん。でもこれはさ、もうさ、さらけ出しちゃったっていうカンジがさ・・・するよね。
お:ここの「グライダー」のアビさんが・・・泣けるよね。
さ:こんなカンジよ、今、俺、自分のライブで。
お:いやいやいや・・・カメラのヤツまで食いつちゃってるっていうのがさ、
撮らざるをえないみたいな・・・ホラ。「すげえなあ」なんてさ、
たぶん聴いたこと無いと思うんだよこのカメラマンも。でも惹きつけられてんだよ
これ・・・ローディーとかいるのかなあ?ピーズって?
さ:どうかなあ・・・どっかのライブじゃ、アビさんの娘がTシャツ売ってたらしいぞ。
お:ええ、マジで?
さ:MCでアビさんが「おう、Tシャツ買えよコノヤロー、持って帰るの面度くせえんだからよ」って。
お:永久保存版だよな、このビデオは。
さ:俺もテレキャスター買おうかなあ・・・(大根の家にある「L-7」というギターを
見ながら。ちなみに大根はまったくギターが弾けない、これも単なるインテリア)
グレコか・・・
お:ん?グレコなの?
さ:うん。5万くらいじゃない。
お:え?そうなの?もっとするって聞いたぞ。
さ:グレコだからなあ・・・ギブソンだったら40万くらいするけど。
お:オマエが本気になったら譲ってやってもいいと思ってるんだけどよ。
さ:もう、アコギ弾かねえかんなあ。
お:俺のじゃねえけどよ。
さ:誰のなの?これ?
お:おっ、似合うよ。
さ:くれよ、これ。
お:うんー・・・やってもいいかなあ。
さ:弦張り替えねえと、埃だらけだこれ・・・エレキの弦が張ってあんなあ。
お:やっぱよお、あるべき所にあるっていうのが相応しい姿だからな。
さ:そうだよ。今日車で来てるしよお。
お:そういうことかも知んねえしな、オマエにやるよ。確かギターケースもあるんだよなあ。
さ:ハードケースなの?
お:いや・・・・・オマエにやっからよお。
さ:このギター、絵になるよなあ。
お:大切にしろよ。・・・なんかケースん中に段ボールが入ってるぞ型崩れしないようにか?これ。
さ:凄いねえ・・・凄いよ、誰?このギターケースの中の段ボール作った人。
お:吉守だろ。
さ:そうなの?
お:これもともと吉守ちゃんのだもん。借金のカタに預かったまんまだよ。
さ:凄いなあ、マメだなあ。ありえないよこんなの。
お:オマエにやるよ。「のら犬にさえなれない」弾いて。
さ:全然弾けねえ。全然覚えてねえ。コードだけ弾いても・・・公平がいねえとな。
お:嬉しい?
さ:嬉しいよ。絵になるよ。
お:カッコいいよねえ。俺もそこに飾ってていつもカッコいいなあと思ってたもん。
さ:・・・しかし、この段ボールいらねえんじゃねえかなあ・・・
チャックが閉まんないよ・・・すんげーマメだなあ。
お:俺のインテリアとしての役目は終わったからよお。そこに今度ベースが来るんだよ。
ベースが。
さ:・・・マジで水色ジーパン買おう。
お:・・・どこまでいったんだっけ?・・・えーっと、アルバムが出て・・・
でも、正直俺の中ではピーズでピンと来たの初めてよ。この「The ピーズ」が。
さ:その、最初の1、2、3枚目ってさ、軽いロックンロールでさ、
今のO.P.KINGみたいなカンジでさ、で、4、5、6ってさ、その前に落ちちゃった
人ってそんなに聴いてないと思うんだよね。その後半3枚の方が真実があると
思うんだよ。で、その「The
ピーズ」で、凄いじゃん、「サイナラ」とかさ、覚悟が。
そうすっとさ、聴くよな。
お:だからさ、俺らの年齢的なこととかさ、こうして行くしかねえんだなあっていうのに、
ピッタリじゃん。
さ:もう「未来へズれていく」って言葉がさ・・・俺、歌詞見るまで「未来へ連れていく」
だと思ってたの。ハルそこまで言うかなあ?って思ってたの。
お:「僕」っていう一人称も然り。
さ:したら「未来へズれていく」で「うわあー」って。そうだったんだって。
未来へズレるってすげえなあって。「死ぬまで」・・・もうズレっぱなしなんだけど、
リハビリしたんだけど、でもやっぱもう、ずっとズれて行こうっていう覚悟が
すげえなあと。
お:もう全部出して行くしかねえなあっていうさあ、そういうことよ。
俺らだってさあ、もうスカしてもらんねえし、カッコわりいし、もう見た目も
ダメだしさ、それこそ口も臭くなっていくしさ、そういうことじゃん。
身体もオヤジっぽくなっていくしさあ。
さ:2ちゃんねるで「ハル口臭そう」なんて言われちゃってさあ。
お:でもそれ、誉め言葉じゃねえ。
さ:知らねえよっ!って思うよなあ。それどころじゃねえよっ!って。
お:いや、だから俺なんかも最近鼻毛抜かねえよ。
さ:俺、鼻毛は専用シェーバーで剃ってる・・・
お:それピーズじゃねえよっ!
次回は特別篇「FUJI ROCK FESTIVAL」でお送りします。